展示会スタッフの費用は、どんな役割を任せるかで相場の幅が大きく変わり、そのうえで拘束時間・人数・日数・地域・事前準備の有無によって上下します。見積もりを比べるときは、合計金額だけでなく「何が含まれているか」と「その費用でどんな成果を期待できるか」を見ることが大切です。
この記事では、役割別の相場の目安、金額が変わる要因、見積もりの見方を順に説明します。展示会スタッフの役割や依頼先の種類から知りたい方は、展示会スタッフとは?役割・業務内容・依頼先の種類を先にご覧ください。
展示会スタッフの費用相場(役割別の目安)
相場は、受付や案内を中心にするか、声かけや製品の一次説明、名刺の獲得まで任せるかで分かれます。公開されている相場情報は少ないため、次の表は業界一般の大まかな目安としてご覧ください。いずれも、会期の時間、役割、人数、日数、地域、事前準備の有無で変わる目安です。
| 役割 | 主な仕事 | 1名1日あたりの目安(企業が依頼先へ払う額) |
|---|---|---|
| 展示会スタッフ(受付・案内・チラシ配布など) | 受付、来場者の案内、資料やノベルティの配布 | おおむね3万〜6万円程度 |
| キャスト・コンパニオン(声かけ・一次説明・リード獲得まで) | 通路での声かけ、製品の概要説明、来場者の関心の聞き取り、名刺の獲得 | おおむね4万〜7万円程度 |
| ナレーター・MC | ステージやプレゼンの進行、製品紹介のアナウンス | 経験や拘束時間で幅が大きく、上の2つより高くなることが多い |
同じ「展示会スタッフ」という呼び方でも、受付だけを頼むのか、来場者を呼び込んで社員の商談につなぐところまで頼むのかで、求められる経験や準備がまったく違います。見積もりを取る前に、任せたい役割を決めておくと、金額の差が何によるものかを読み取りやすくなります。役割ごとの依頼のしかたは、受付・説明員・呼び込み:展示会スタッフの役割別の依頼のしかたで説明しています。コンパニオンを探している方向けの料金の目安は、展示会コンパニオンの料金相場と、依頼前に決めておくことで紹介しています。
求人の日給と見積もりの金額が違う理由
求人サイトに載っている展示会スタッフの日給と、依頼先から届く見積もりの金額は、同じものではありません。求人の日給はスタッフ本人が受け取る報酬で、企業が依頼先へ払う金額には、それ以外の費用が乗っています。
見積もりの金額には、一般に次のようなものが含まれます。
- スタッフ本人の報酬:当日の稼働に対して支払われる分です。
- 依頼先の手配・管理の費用:人選、連絡、当日の管理、欠員が出たときの対応などにかかる分です。
- 事前準備の費用:研修や事前の打ち合わせ、製品を覚える時間など、当日までの準備にかかる分です。
- 交通費などの実費:会場までの交通費、遠方なら宿泊費が加わります。
依頼先によって、どこまでを日当に含め、どこからを別の項目にするかが違います。そのため、日当だけを並べて比べると、実際の総額や中身の差を見誤ることがあります。
金額が変わる主な要因
同じ役割でも、次の条件で金額は変わります。見積もりを依頼するときは、これらを先に伝えると、精度の高い見積もりが返ってきやすくなります。
| 要因 | 金額への影響 | 依頼前に決めておくこと |
|---|---|---|
| 任せる役割 | 一次説明やリード獲得まで任せるほど、経験や準備が必要になり高くなりやすい | 受付・案内・声かけ・一次説明・聞き取りのどこまで任せるか |
| 1日の拘束時間 | 集合から解散までの時間が長いほど高くなる。開場前の準備や終了後の片付けも含むかで変わる | 集合時刻と解散時刻、休憩の取り方 |
| 日数 | 会期の日数分かかる。事前の研修や打ち合わせの日が別に数えられることもある | 会期の日数と、事前準備に参加してほしい日 |
| 人数 | 人数分かかる。人数が増えると現場の責任者を置く必要が出ることもある | 時間帯ごとに必要な人数 |
| 地域・会場 | 会場が遠いと交通費や宿泊費が加わる | 会場と、地元のスタッフで手配できるか |
| 事前準備の有無 | 研修や事前の打ち合わせ、製品の資料の読み込みを含めるかで変わる | 製品を覚えてもらう準備をどこまで求めるか |
| 依頼の時期 | 依頼先によっては、大型の展示会が重なる時期や直前の依頼で条件が変わることがある | 出展が決まった時点で早めに相談する |
人数の決め方は、展示会スタッフは何人必要?ブース規模別の考え方で、持ち場と時間帯から数える手順を紹介しています。依頼の時期を含め、依頼から当日までの流れは展示会スタッフはいつまでに依頼する?依頼から当日までの流れと出展企業の準備で説明しています。
見積もりの見方:比べるときの5つのポイント
見積もりを比べるときは、合計金額の前に、次の5つを確かめます。
1. 金額の単位がそろっているか
1日あたりなのか、1時間あたりなのか。1日あたりの場合、何時間の稼働を前提にしているのか。単位と前提の時間がそろっていないと、正しく比べられません。休憩時間が稼働に含まれるかも確認しておきます。
2. 事前準備が含まれているか
研修、事前の打ち合わせ、製品の説明資料を読む時間が含まれているかを見ます。同じ金額でも、準備の時間がある見積もりと、当日いきなり現場に入る見積もりでは、ブースでの動きが変わります。事前に何を伝えればよいかは、展示会スタッフへの事前説明で伝えるべきこと(説明資料のひな形付き)にまとめています。
3. 別途かかる費用が書かれているか
交通費、宿泊費、延長、衣装、キャンセルの扱いが、見積もりに含まれているのか、別途かかるのかを確かめます。書かれていない項目は、あとから請求されることがあります。日当以外にかかる費用の中身は、展示会スタッフの見積もりで日当以外にかかる費用:交通費・研修・延長・キャンセルで整理しています。
4. 現場の責任者がいるか
スタッフをまとめ、出展企業の窓口になる人がいるかどうかで、当日の社員の負担が変わります。責任者の費用が別の項目になっている場合もあります。
5. 契約の形と指示の出し方
派遣か業務委託かによって、当日スタッフへ指示を出す方法が変わります。誰に何を頼めばよいかは、金額と同じくらい当日の動きに影響します。違いは派遣と業務委託の違い:展示会スタッフの契約で気をつけることで説明しています。
安い見積もりと高い見積もりをどう比べるか
見積もりの金額に差があるときは、「1人1日あたりいくらか」だけでなく、「その費用で、名刺や商談がどれだけ見込めるか」という見方を加えると判断しやすくなります。
たとえば、受付と配布だけを担うスタッフは単価が抑えられますが、来場者の関心を聞き取って社員につなぐ動きは期待しにくくなります。一方、声かけから一次説明、聞き取りまで担うキャストは単価が上がりやすいものの、社員が商談に集中できる時間が増え、展示会後に連絡すべき見込み客も見えやすくなります。
比べるときは、次の順で考えるのがおすすめです。
- 出展の目的を決める(認知か、名刺の数か、商談の数か)。
- 目的に必要な役割を決める。
- 役割を担える人と準備が、それぞれの見積もりに入っているかを確かめる。
- そのうえで金額を比べる。
名刺の数だけでなく、商談につながる名刺がどれだけ取れたかで評価する考え方は、展示会スタッフに持たせる目標:名刺数だけで評価しないで詳しく説明しています。
費用を抑えながら成果を落とさない工夫
予算に限りがあるときは、人数や単価を一律に削るより、次のような工夫で調整するほうが成果への影響を小さくできます。
- ピークの時間帯に人を厚くする:会期中ずっと同じ人数にせず、混み合う時間帯に合わせて配置を変えます。シフトの組み方は展示会当日のシフトと休憩の組み方:ピークを外して交代するを参考にしてください。
- 兼任できる役割をまとめる:受付と案内など、同じ場所でこなせる役割は兼任にし、人数を抑えます。
- 事前の資料を社内で用意する:製品の説明資料やよく聞かれる質問の答えを渡しておくと、準備の時間を短くしながら当日の説明の質を保てます。
- 同じ依頼先に続けて頼む:前回の出展を知っているスタッフが入ると、製品や社員とのやり取りに慣れるまでの時間を減らせます。
Charmapの場合
Charmapは、ビジネス展示会の運営に特化して、営業支援(コンサルティングとキャスティング)を行っています。キャストは受付や案内だけでなく、来場者誘導、声かけ、商品の一次説明、名刺・リードの獲得まで担います。
見積もりで比べていただきたい「事前準備」について、Charmapでは次のように進めています。
- 出展企業との事前ミーティングで、来場者のフックになる言葉や呼び込みの流れ、人員配置と動線を一緒に考え、トークスクリプトをつくります。
- キックオフで商材の理解を深め、チームの目標と意識をそろえてから当日を迎えます。
- 同じ出展企業には同じメンバーを繰り返し配置し、回を重ねるほど商材への理解が深まるようにしています。
ご依頼の条件によって内容が変わるため、料金はこの記事ではご案内していません。会期、ブースの広さ、任せたい役割をお知らせいただければ、お問い合わせからお見積もりのご相談を承ります。依頼先の比べ方は、展示会スタッフ会社の選び方:依頼前に確認すべき10項目もあわせてご覧ください。
よくある質問
展示会スタッフの費用は、1日あたりで考えればよいですか?
1日あたりで考えるのが基本ですが、何時間の稼働を前提にしているかを必ず確かめてください。開場前の準備や終了後の片付け、事前の研修や打ち合わせが含まれるかで、実際の総額は変わります。
見積もりは何社から取ればよいですか?
決まった数はありませんが、同じ条件(会期、ブースの広さ、任せたい役割、時間帯ごとの人数)を伝えて複数の依頼先に聞くと、金額の差が何によるものかを比べやすくなります。依頼先の種類による違いは、展示会スタッフの依頼先を比較:派遣会社・キャスティング会社・マッチング・個人で説明しています。
社員だけで対応すれば費用はかからないのではありませんか?
外部への支払いはなくなりますが、社員が受付や声かけに時間を取られ、商談に集中できなくなることがあります。社員の時間をどこに使うかも含めて判断するのがおすすめです。判断の基準は、社員だけで出展するか、外部キャストを入れるか:判断基準とチェックリストにまとめています。


