展示会スタッフの見積もりは、日当×人数×日数に、交通費・宿泊費、事前研修や打ち合わせ、延長、管理費などが加わる構造になっています。さらに、依頼後に人数や日程が変わったときのキャンセルの扱いも、総額を左右します。見積もりを受け取ったら、項目ごとに「含まれている」「別途かかる」「発生しない」のどれかを書面で確かめておくと、あとから想定外の請求を受けずに済みます。

この記事では、日当以外にかかる主な費用の決まり方と、依頼前に使える確認表を紹介します。展示会スタッフの役割や依頼先の種類から知りたい方は、展示会スタッフとは?役割・業務内容・依頼先の種類を先にご覧ください。

見積もりの基本の形

見積もりの中心は、スタッフ1名1日あたりの金額(日当)に、人数と日数をかけた部分です。そこに、当日の稼働以外にかかる費用が加わります。

見積もりの総額 = 日当 × 人数 × 日数 + 交通費・宿泊費 + 事前準備の費用 + 延長の費用 + 管理費など

日当そのものの相場は、任せる役割で分かれます。業界一般の大まかな目安として、受付・案内・チラシ配布などの展示会スタッフで1名1日あたりおおむね3万〜6万円程度、声かけや製品の一次説明、リード獲得まで担うキャストやコンパニオンでおおむね4万〜7万円程度です。いずれも、会期の時間、役割、人数、日数、地域、事前準備の有無で変わる目安です。役割別の相場と見積もりの見方は展示会スタッフの費用相場と見積もりの見方:役割別の目安と金額が変わる要因、コンパニオンの料金の目安は展示会コンパニオンの料金相場と、依頼前に決めておくことで説明しています。

注意したいのは、依頼先によって、日当に含める範囲が違うことです。交通費や研修を日当に含めている依頼先もあれば、すべて別の項目にしている依頼先もあります。日当の金額だけを並べて比べると、総額の差を見誤ることがあります。

日当以外にかかる主な費用

日当以外の費用は、次のように整理できます。どの項目が見積もりに入っているかを、上から順に確かめていきます。

項目よくある決まり方確認すること
交通費実費で精算するか、1日あたりの定額日当に含むか、別途か。定額の場合、会場によって変わるか
宿泊費遠方の会場で、前泊・連泊が必要なときに加わる前泊が必要になる集合時刻か。宿の手配は誰がするか
事前研修・打ち合わせ日当に含む場合と、参加する時間や回数で別に数える場合がある研修や打ち合わせの内容と、出展企業側の参加が必要か
延長1時間単位で設定されることが多い何時から延長とするか。延長を頼むときの連絡方法
早朝の準備・会期後の撤収通常の稼働に含む場合と、別の扱いにする場合がある設営や撤収の手伝いを頼むか、頼めるか
衣装・ユニフォーム依頼先が用意する場合と、出展企業が用意する場合がある誰が用意するか。クリーニングや返却の扱い
現場の責任者人数に応じて置く。費用を別の項目にしている場合もある責任者がいるか。いる場合、その人も接客をするか
手配料・管理費総額に対する割合や、1件あたりの金額で設定される何に対する費用か(人選、連絡、当日の管理など)
キャンセル依頼を取り消した時期に応じて段階的に設定されることが多い何日前から、どの程度かかるか。人数を減らす場合や日程を変える場合はどうか

現場の責任者を置くかどうかは、当日の欠員や急な増員への備えにも関わります。備え方は展示会スタッフの当日欠員・急な増員にどう備えるか:出展企業の準備と当日朝の動きで説明しています。

以下、とくに確認漏れが起きやすい4つの項目を説明します。

交通費・宿泊費:会場と集合時刻で決まる

交通費は、実費で精算するか、1日あたりの定額にするかのどちらかが一般的です。実費の場合は、スタッフの住まいと会場の距離で金額が変わるため、見積もりの時点では概算になることがあります。

会場が遠い場合や、開場前の早い時刻に集合する場合は、宿泊費が加わります。地方の会場で地元のスタッフを手配できれば、交通費や宿泊費を抑えられることもあります。依頼するときは、会場と集合時刻を早めに伝え、宿泊が必要になるかどうかを確かめておきます。

事前研修・打ち合わせ:費用ではなく準備として見る

事前研修や打ち合わせは、見積もりの中では「削れる費用」に見えがちです。ところが、当日の動きを左右するのはこの部分です。製品について何も知らないまま当日を迎えると、来場者の質問にすべて社員が答えることになり、社員が商談に集中できません。

見積もりで確認したいのは、金額よりも中身です。

  • 何について研修するのか(声かけや受付のやり方か、製品の内容か)。
  • 出展企業との打ち合わせはあるか。あるなら、いつ、誰が参加するか。
  • スタッフが製品の資料を読む時間は取られているか。

出展企業の側で用意しておくとよい資料は、展示会スタッフへの事前説明で伝えるべきこと(説明資料のひな形付き)にまとめています。

延長:何時からを延長とするかを決める

延長の費用は、1時間単位で設定されることが多くあります。トラブルになりやすいのは、金額よりも「どこからが延長か」があいまいなことです。

  • 集合から解散までのうち、どの時間が通常の稼働に含まれるか。
  • 開場前の準備、閉場後の片付けや振り返りは、通常の稼働に含まれるか。
  • 当日に延長を頼みたいとき、誰に伝えればよいか。

会期中に毎日の振り返りをしたい場合は、その時間を最初から稼働時間に入れておくと、延長の扱いで迷わずに済みます。振り返りの進め方は、会期中に毎日やるスタッフとの振り返り:翌日の動きを直す進め方とシートで紹介しています。

キャンセル:中止・人数変更・日程変更を分けて確かめる

キャンセルの扱いは、依頼を取り消した時期に応じて段階的に決められていることが多く、会期が近づくほど負担が大きくなるのが一般的です。依頼先はスタッフの予定を押さえ、準備を進めているためです。

確認するときは、次の3つを分けて聞くと、あとで迷いません。

  1. 依頼そのものを取り消す場合:何日前から、どの程度の費用がかかるか。
  2. 人数や日数を減らす場合:一部の取り消しとして同じ扱いになるか。
  3. 展示会そのものが中止になった場合:災害や主催者の判断で中止になったときにどう扱うか。

出展の計画がまだ固まっていない段階で依頼する場合は、いつまでなら人数を変えられるかも聞いておくと安心です。依頼から当日までの流れは、展示会スタッフはいつまでに依頼する?依頼から当日までの流れと出展企業の準備で説明しています。

依頼前に使える見積もり確認表

見積もりを受け取ったら、次の表を埋めてみてください。空欄が残った項目は、依頼先に質問すべきことです。複数の依頼先を比べるときも、この表で横に並べると総額の差が何によるものかが分かります。

項目含む/別途/発生しない決まり方・条件メモ
日当(何時間の稼働が前提か)
交通費
宿泊費
事前研修
出展企業との事前打ち合わせ
延長(単位と、何時からが延長か)
早朝の準備・会期後の撤収
衣装・ユニフォーム
現場の責任者
手配料・管理費
キャンセル(取り消し・人数変更・中止)

正確な見積もりをもらうために伝えること

見積もりの精度は、依頼するときに伝える情報で変わります。次の項目を最初の相談で伝えると、別途かかる費用まで含めた見積もりが返ってきやすくなります。

  1. 展示会名、会場、会期の日数
  2. 集合時刻と解散時刻(開場前の準備、閉場後の片付けを含むか)
  3. 任せたい役割(受付・案内だけか、声かけ・一次説明・聞き取りまでか)
  4. 時間帯ごとに必要な人数
  5. 事前研修や打ち合わせに求めること
  6. 衣装やユニフォームを誰が用意するか

役割の決め方は受付・説明員・呼び込み:展示会スタッフの役割別の依頼のしかた、人数の出し方は展示会スタッフは何人必要?ブース規模別の考え方を参考にしてください。

Charmapの場合

Charmapでは、当日の稼働の前に、事前準備に時間をかけています。

  • 出展企業との事前ミーティングで、来場者のフックになる言葉や呼び込みの流れ、人員配置と動線を一緒に考え、トークスクリプトをつくります。
  • キックオフで商材の理解を深め、チームの目標と意識をそろえます。
  • 初めて現場に出るメンバーには事前の顔合わせミーティングを開き、経験者が当日の雰囲気を伝えます。

また、セクシュアルハラスメント防止方針(SAFE WORK POLICY)にもとづき、案件の開始前に関係者へ方針を共有し、現場ごとに責任者を置いています。見積もりの項目を比べるときは、こうした準備や体制がどこまで含まれているかもあわせてご確認ください。

料金はご依頼の条件によって変わるため、この記事ではご案内していません。会期や任せたい役割をお知らせいただければ、お問い合わせからお見積もりのご相談を承ります。依頼先を選ぶときの確認項目は、展示会スタッフ会社の選び方:依頼前に確認すべき10項目にまとめています。

よくある質問

交通費は実費と定額のどちらが得ですか?

一概には言えません。実費は会場までの実際の費用で精算するため無駄が出にくい一方、見積もりの時点では金額が確定しにくくなります。定額は総額を見通しやすくなります。予算を確定させたいかどうかで選び、どちらの場合も見積もりに明記してもらうのがおすすめです。

事前研修の費用を削ってもよいですか?

削ると、スタッフが製品を知らないまま当日を迎えることになり、来場者の質問に社員が対応する時間が増えます。研修を減らすなら、社内で説明資料やよく聞かれる質問の答えを用意して渡すなど、準備を別の形で補うことをおすすめします。

見積もりに書かれていない費用を、あとから請求されることはありますか?

延長や撤収の手伝いなど、見積もりの前提になかった作業が当日に発生すると、別途の費用になることがあります。この記事の確認表で、含まれる項目と条件を事前に書面で確かめておくと防げます。契約の形による指示の出し方の違いは、派遣と業務委託の違い:展示会スタッフの契約で気をつけることで説明しています。