展示会スタッフの目標は、名刺の数だけで決めず、「聞き取った内容が残っている名刺の数」と「社員へ引き継いだ来場者の数」をあわせて持たせます。名刺の数だけを目標にすると、スタッフの動きが名刺交換で止まり、商談につながらない名刺が増えるからです。

この記事では、展示会のスタッフ・キャストを手配しているCharmapが、スタッフに持たせる目標の組み立て方と伝え方を整理します。

名刺の数だけを目標にすると起きること

名刺の枚数は数えやすく、会期中にも進み具合が分かるため、スタッフの目標として使われがちです。ただ、名刺の数だけを目標にすると、スタッフは次のように動きやすくなります。

  • 名刺交換の時点で会話を終える:名刺をもらえば目標に近づくため、そのあとのヒアリングに時間を使わなくなる。
  • 関心の薄い来場者にも名刺を求める:通りすがりの来場者からも名刺をもらおうとして、ブースの印象を下げる。
  • 社員への引き継ぎが減る:社員を探して来場者を渡すより、次の来場者に声をかけるほうが目標に近づく。

その結果、展示会のあとには「名刺はたくさんあるが、誰から連絡すればよいか分からない」という状態が残ります。スタッフが悪いのではなく、目標がスタッフの動きをそこで止めているのです。

スタッフに持たせる3つの目標

成果が出る展示会スタッフの動き方では、ブースでの接客を「声かけ・立ち止まり・一次説明・ヒアリング・引き継ぎ」の5つの段階に分けました。スタッフの目標も、この段階に合わせて3つに分けると、動きが商談化へ向かいやすくなります。

目標数えるもの対応する段階この目標があると起きること
1. 接点の数名刺の数(または来場者と会話した数)声かけ・立ち止まり・一次説明ブースに人を集める動きが止まらない
2. 聞き取りの数課題や検討の状況など、聞き取った内容が残っている名刺の数ヒアリング名刺交換のあとも会話を続けるようになる
3. 引き継ぎの数聞き取った内容と一緒に社員へ渡した来場者の数引き継ぎ社員を探して来場者を渡す動きが増える

3つを並べて見ると、スタッフの動きのどこで止まっているかが分かります。たとえば、接点の数は多いのに聞き取りの数が少なければ、名刺交換のあとの会話が続いていないということです。聞き取りの数は多いのに引き継ぎの数が少なければ、社員につなぐ基準や、社員の手の空き具合を見直す必要があります。聞き取りの数を数えるための質問と記録の選択肢は、商談につながる展示会のヒアリング項目:スタッフに持たせる質問リストにまとめています。

出展の目的から目標の重みを決める

3つの目標のうち、どれを重く見るかは、出展の目的によって変わります。

出展の目的重く見る目標スタッフへの伝え方の例
新製品やサービスを知ってもらう接点の数「できるだけ多くの方に、何の会社かを伝えてください」
展示会後に連絡できる見込み客を増やす聞き取りの数「名刺をいただいたら、課題と検討の状況を聞いてメモに残してください」
会期中に商談をつくる引き継ぎの数「検討中の方は、その場で社員へつないでください」

目的が1つに決まらない場合でも、「どれを最も重く見るか」は1つに決めておきます。重みが決まっていないと、スタッフは迷ったときに数えやすい名刺の数を優先してしまいます。見込み客を増やすことを重く見る場合は、聞き取った内容からその場でランクを付けておくと、展示会後の連絡の順番も決めやすくなります。方法は当日スタッフがその場でリードをランク分けする方法で説明しています。

スタッフに任せる範囲と目標をそろえる

目標は、スタッフに任せる範囲を超えないように決めます。たとえば、スタッフに声かけと受付だけを任せているのに、引き継ぎの数を目標にしても、スタッフは動きようがありません。

  • 声かけ・受付まで任せる場合:接点の数を中心にし、聞き取りは「次の希望(資料がほしいか、説明を聞きたいか)」だけにする。
  • 一次説明・ヒアリングまで任せる場合:接点の数と聞き取りの数を持たせる。
  • 社員への引き継ぎまで任せる場合:3つすべてを持たせ、社員につなぐ基準を事前に決めておく。

任せる範囲は、社員の人数やスタッフの経験によって変わります。展示会キャストに何を任せられるかは、展示会キャストとは?スタッフ・コンパニオンとの違いと選び方で整理しています。

目標を決めて伝える手順

会期前に、次の順で目標を決め、スタッフへ伝えます。

  1. 出展の目的を1つに絞る:認知、見込み客、会期中の商談のうち、最も重く見るものを決める。
  2. スタッフに任せる範囲を決める:5つの段階のうち、どこまでをスタッフが担うかを決める。
  3. 数え方を決める:聞き取りの数は「引き継ぎメモに課題か検討の状況が書かれている名刺」のように、何を1件と数えるかを決める。
  4. 目標をチームで持たせる:スタッフ一人ひとりではなく、ブース全体の目標として伝える。
  5. 会期前の説明でそろえる:目標と数え方、社員につなぐ基準を、スタッフ全員に同じ言葉で伝える。

会期前の説明で目標以外に何を伝えるかは、展示会スタッフへの事前説明で伝えるべきこと(説明資料のひな形付き)で整理しています。

4つ目をチームの目標にするのは、スタッフごとの持ち場が違うからです。通路側で声かけを担うスタッフと、ブースの奥で一次説明を担うスタッフでは、同じ目標でも積み上がり方が違います。個人の数を競わせると、持ち場を離れて名刺を取りにいく動きが出やすくなります。

会期中に目標を見直す

複数日の展示会では、初日の結果を見て目標の重みを見直します。

  • 接点の数が少ない:声かけの一言目や、通路側の立ち位置を見直す。
  • 聞き取りの数が少ない:名刺交換のあとに聞く質問を1つに絞り、全員で同じ質問から始める。
  • 引き継ぎの数が少ない:社員がつかまらない時間帯がないか、社員につなぐ基準が厳しすぎないかを確かめる。

見直した点は、翌朝のうちにスタッフ全員へ共有します。日ごとの振り返りの進め方は、成果が出る展示会スタッフの動き方の「会期中に動きを直す」でも紹介しています。閉場後の振り返りの進め方とシートは、会期中に毎日やるスタッフとの振り返り:翌日の動きを直す進め方とシートにまとめています。

Charmapの展示会キャスト

Charmapは、展示会キャストの育成・派遣と展示会の運営支援を行っています。受付、来場者誘導、商品説明、サンプリング、ステージ進行まで、ブースの第一印象をつくる役割をチームで担います。

また、Charmapはキャストが安心して働ける現場づくりのため、セクシュアルハラスメント防止方針(SAFE WORK POLICY)を定め、現場ごとに責任者を置いています。

展示会のスタッフ・キャストの依頼や、スタッフにどんな目標を持たせればよいかのご相談は、お問い合わせからお気軽にどうぞ。

よくある質問

展示会スタッフの目標に、名刺の数は入れないほうがよいですか?

入れて構いません。名刺の数はブースに人を集められているかを見るのに役立ちます。ただし名刺の数だけにせず、聞き取った内容が残っている名刺の数や、社員へ引き継いだ来場者の数とあわせて持たせると、スタッフの動きが商談化に向かいやすくなります。

目標の数値はどう決めればよいですか?

ブースの広さ、会期の日数、来場者の層、スタッフに任せる範囲によって変わるため、一律の目安はありません。前回の出展の記録があればそれを起点にし、初めての出展なら初日の結果を見て2日目以降の目標を決め直す方法もあります。

スタッフ一人ひとりに目標を持たせてもよいですか?

持ち場が同じスタッフ同士なら比べやすいですが、通路側と奥では積み上がり方が違うため、基本はブース全体の目標として持たせます。個人の数を競わせると、持ち場を離れて名刺を取りにいく動きが出やすくなります。