複数日の展示会では、毎日の終わりにスタッフと短く振り返り、翌朝に「今日はここを変える」を共有すると、2日目以降の動きが変わります。見るのは名刺の数だけでなく、社員に引き継げた来場者と、引き継げなかった来場者です。

この記事では、展示会のスタッフ・キャストを手配しているCharmapが、会期中に毎日行うスタッフとの振り返りの進め方を、そのまま使える振り返りシートとあわせて整理します。展示会が終わったあとの報告書ではなく、会期の途中で動きを直すための振り返りです。

会期中に振り返る理由

展示会の初日は、どれだけ準備をしても予想と違うことが起きます。来場者の層、混む時間帯、よく聞かれる質問、立ち止まってもらえる声かけは、実際に始まってみないと分かりません。

初日の動きをそのまま最終日まで続けると、うまくいかなかったことも最終日まで続きます。反対に、毎日の終わりに振り返って翌日の動きを直せば、会期の後半ほどブースの動きがよくなります。

展示会が終わってから振り返っても、その展示会の成果はもう変わりません。会期中の振り返りは、まだ残っている日の成果を変えるために行います。

振り返りで見るもの

振り返りでは、成果が出る展示会スタッフの動き方:声かけから商談化までで紹介している5つの段階(声かけ・立ち止まり・一次説明・ヒアリング・引き継ぎ)に沿って、その日の動きを見直します。

段階振り返りで確かめること
声かけ足を止めてもらえた一言目、通り過ぎられた一言目はどれか
立ち止まり立ち止まった来場者に、最初に何を聞いたら話が続いたか
一次説明よく聞かれた質問は何か、スタッフが答えられなかった質問は何か
ヒアリング課題・検討の状況・役割・次の希望のうち、聞けなかった項目はどれか
引き継ぎ社員につなげた来場者と、つなげなかった来場者はそれぞれどんな人か

あわせて、名刺の数だけでなく、引き継ぎメモが残っている名刺の数も見ます。名刺が多くてもメモが少なければ、ヒアリングと引き継ぎの段階で止まっているということです。名刺の数以外に何を目標として見るかは展示会スタッフに持たせる目標:名刺数だけで評価しないで、メモにその場でランクを付けておく方法は当日スタッフがその場でリードをランク分けする方法で説明しています。

振り返りの進め方

会期中の振り返りは、閉場後の疲れている時間に行います。長くせず、決まった項目を短く確かめ、翌日に変えることを決めるのが基本です。

閉場後:その日の振り返り

  1. 数を確かめる:名刺の数、引き継ぎメモが残っている名刺の数、社員につなげた来場者の数。
  2. うまくいったことを集める:足を止めてもらえた声かけ、話が続いた質問を、スタッフから1つずつ挙げてもらう。
  3. つまずいたところを確かめる:答えられなかった質問、社員につなげなかった来場者、混雑で手が回らなかった時間帯。
  4. 困ったこと・不安だったことを聞く:来場者の言動で気になったこと、体調、持ち場で困ったこと。
  5. 翌日に変えることを決める:変えることは多くても3つ程度に絞る。

スタッフが話しやすいように、先にうまくいったことを集め、そのあとでつまずいたところを確かめる順にします。誰かの失敗を責める場にすると、翌日から困ったことが上がってこなくなります。

翌朝:変えることの共有

翌朝の開場前には、前日に決めた「変えること」を全員に共有します。

  • 声かけの一言目を変える場合は、新しい言葉を全員で確かめる。
  • 答えられなかった質問は、社員が答え方を決めて共有するか、社員につなぐ質問として決める。
  • 混雑で手が回らなかった時間帯があれば、配置と休憩の時刻を組み替える。

シフトと休憩の組み替え方は、展示会当日のシフトと休憩の組み方で整理しています。

振り返りに社員が入る理由

振り返りは、スタッフだけで行うより、出展企業の社員が入るほうが翌日の動きを直しやすくなります。

  • 答えられなかった質問の答え方を、その場で社員が決められる。
  • 社員につなげなかった来場者について、どの基準でつなぐかを社員と確かめられる。
  • 社員から見た「引き継ぎで助かったこと・足りなかったこと」をスタッフが聞ける。

社員が全員そろわなくても、引き継ぎを受ける社員が1人入るだけで、話し合いが具体的になります。

会期中の振り返りシートのひな形

次のシートを、1日1枚使います。閉場後の振り返りで埋め、翌朝の共有にそのまま使います。

項目記入すること
日付・会期の何日目か○日目
参加した人スタッフ・社員の名前
名刺の数その日に受け取った名刺の数
引き継ぎメモが残っている名刺の数課題や検討の状況が書かれている名刺の数
社員につなげた来場者の数その場で社員へ引き継いだ来場者の数
足を止めてもらえた声かけ実際に使った言葉
話が続いた最初の質問実際に使った質問
よく聞かれた質問質問と、誰がどう答えたか
答えられなかった質問質問と、明日からの扱い(答え方を決める/社員につなぐ)
社員につなげなかった来場者どんな来場者で、なぜつなげなかったか
混雑で手が回らなかった時間帯時間帯と、そのとき足りなかった役割
困ったこと・不安だったこと来場者の言動、体調、持ち場など
明日変えること多くても3つまで

シートの数字は、スタッフを評価するためではなく、翌日のどこを直すかを決めるために使います。最終日のシートを並べると、展示会後の報告や次回の出展準備の材料にもなります。

「困ったこと・不安だったこと」を必ず聞く

振り返りシートには、成果に関わる項目と別に「困ったこと・不安だったこと」の欄を置いています。来場者からの不適切な言動や、持ち場での不安は、スタッフから言い出しにくいことだからです。

Charmapはセクシュアルハラスメント防止方針(SAFE WORK POLICY)で、違和感の段階でも一人で抱え込まずに相談してほしいと呼びかけ、予防の取り組みとして案件の終了後に振り返りを行い、改善につなげることを定めています。会期中の毎日の振り返りでも、困ったことを聞く時間を取っておくと、翌日に持ち越さずに対応できます。

ブースでのトラブルへの対応は、展示会ブースで起きやすいトラブルとスタッフの対応で整理しています。

Charmapの展示会キャスト

Charmapは、展示会キャストの育成・派遣と展示会の運営支援を行っています。受付、来場者誘導、商品説明、サンプリング、ステージ進行まで、ブースの第一印象をつくる役割をチームで担います。

この記事の振り返りシートは、出展企業とスタッフ・キャストが会期中に一緒に動きを直すための土台としてお使いください。外部のスタッフ・キャストに何を任せるかは、展示会キャストとは?スタッフ・コンパニオンとの違いと選び方でも整理しています。

展示会のスタッフ・キャストの依頼や、会期中の体制づくりのご相談は、お問い合わせからお気軽にどうぞ。

よくある質問

会期中の振り返りは、どのくらいの時間で行えばよいですか?

閉場後の疲れている時間なので、短く終えられるよう項目を決めておくのが基本です。振り返りシートの項目に沿って数と気づきを確かめ、翌日に変えることを多くても3つ程度に絞ると、長くならずに済みます。

1日だけの展示会でも振り返りは必要ですか?

会期中に翌日の動きを直すことはできませんが、ピークの前後や休憩の交代のタイミングで短く確かめるだけでも、午後の動きを直せます。終了後に振り返りシートを残しておくと、次の出展の準備に使えます。

振り返りで名刺の数が少なかったスタッフを指摘してもよいですか?

個人を責める場にすると、翌日から困ったことや失敗が上がってこなくなります。数はブース全体の動きを直すために使い、つまずいたところは「どの段階で止まったか」「何を変えれば進むか」という形で話し合うほうが、翌日の成果につながります。