展示会ブースで起きるトラブルの多くは、スタッフがその場で一人で判断しなければならない状態から大きくなります。会期前に「何が起きたら、誰に、どう伝えるか」を決めておけば、ほとんどのトラブルは小さいうちに収まります。

この記事では、展示会のスタッフ・キャストを手配しているCharmapが、ブースで起きやすいトラブルと、スタッフと出展企業がとるべき対応を整理します。

展示会ブースで起きやすいトラブル

ブースで起きるトラブルは、大きく4つに分けられます。

種類例放っておくと起きること
接客のトラブル答えられない質問、社員が全員商談中で引き継げない、強い口調での苦情来場者を待たせる、推測で答えて誤解を招く
人に関わるトラブル来場者からの不適切な言動、無断での撮影スタッフが萎縮し、声かけやヒアリングが止まる
運営のトラブル通路へのはみ出し、配布物の不足、展示機材の不具合主催者からの注意、ブースの動きが止まる
体制のトラブルスタッフの体調不良、遅れ、急な欠員役割に穴があき、引き継ぎが途切れる

どの種類でも、トラブルそのものより、スタッフが判断に迷っている時間のほうが影響が大きくなりがちです。

会期前に決めておく対応フロー

トラブルが起きたときにスタッフがとる動きを、次の5つの段階で決めておきます。種類が違っても、流れは同じです。

段階スタッフがすること会期前に決めておくこと
1. 安全を確かめる自分と来場者の安全を確かめる。危ないと感じたら、その場を離れてよい「離れてよい」ことを全員に伝えておく
2. 一人で抱えない決めておいた相手に、すぐに伝える誰に伝えるか(現場の責任者、出展企業の担当社員)
3. その場の対応社員につなぐ、持ち場を代わってもらう、主催者の窓口に連絡するスタッフが自分で判断してよい範囲と、社員が判断する範囲
4. 記録するいつ・どこで・何が起きたかを短く残す記録する場所(引き継ぎメモ、共有のチャットなど)
5. 共有して直すその日の終わりに共有し、翌日の動きを直す振り返りの時間と参加する人

ポイントは2つ目の段階です。誰に伝えるかが決まっていないと、スタッフは「この程度で社員を呼んでいいのか」と迷い、一人で抱え込みます。 伝える相手と、伝えてよいことの基準を、会期前にはっきりさせておきます。

トラブル別の対応

答えられない質問を受けたとき

価格、導入条件、技術的に詳しい内容、競合製品との比較などは、スタッフが推測で答えると誤解につながります。

  • 「担当の者から詳しくご説明します」と伝え、社員につなぐ。
  • 社員がすぐに対応できないときは、質問の内容を聞き取ってメモに残し、後で社員から連絡することを伝える。
  • どこまでスタッフが答えてよいかは、会期前に出展企業が決めておく。

答えてよい範囲と社員につなぐ基準の決め方は、成果が出る展示会スタッフの動き方:声かけから商談化までで整理しています。

社員が全員商談中で、来場者を引き継げないとき

ヒアリングまで進んだ来場者を、社員につなげないまま帰してしまうのは、ブースにとっていちばん惜しいトラブルです。

  • 来場者に待てる時間があるかを聞き、短ければ先に資料を渡す。
  • 待てない場合は、聞き取った内容を名刺と一緒に引き継ぎメモへ残し、後日の連絡を約束する。
  • 同じことが何度も起きる時間帯があれば、社員の休憩や配置をずらす。

強い口調での苦情を受けたとき

製品やサービスへの苦情、ブースの混雑への不満などを、スタッフが一人で受け止め続ける必要はありません。

  • 話をさえぎらずに聞き、内容を確かめる。
  • その場で約束や判断をせず、社員や現場の責任者に代わってもらう。
  • 対応が終わったら、何があったかを記録し、その日のうちに共有する。

来場者から不適切な言動を受けたとき

性的な冗談、容姿や身体についての発言、望まない身体的な接触、無断での撮影などは、スタッフが我慢して受け流すものではありません。来場者からの言動であっても同じです。

Charmapはセクシュアルハラスメント防止方針(SAFE WORK POLICY)で、こうした言動を容認しないことと、来場者を含む業務に関わるすべての人を方針の対象とすることを定めています。相談や報告を受けたときは、次の流れで対応するとしています。

  1. まず相談者の安全を確かめる。
  2. 必要に応じて、当事者を引き離す。
  3. 必要に応じて、配置を変える。
  4. プライバシーに配慮したうえで、事実を確かめる。
  5. 社内規則に基づいて、適切に対応する。

あわせて、相談や報告をしたことを理由に、契約の解除や配置での不利益、嫌がらせを受けることがないよう定めています。

出展企業の社員にお願いしたいのは、スタッフから相談を受けたら、その場で「気にしないで」「我慢して」と返さず、まずスタッフをその来場者から離すことです。違和感の段階で相談できる現場ほど、スタッフは安心して声かけやヒアリングに集中できます。出展企業が事前・当日・事後にできる対策は、展示会のハラスメントを防ぐために出展企業ができること:事前・当日・事後の具体策にまとめています。

通路へのはみ出しや配布で主催者から注意を受けたとき

展示会によっては、通路での呼び込みや配布物の扱いについて、主催者がルールを設けています。

  • 注意を受けたら、その場で従い、現場の責任者と社員に伝える。
  • 声かけの立ち位置や配布の仕方を、ルールに合わせてその日のうちに直す。
  • 会期前に、出展企業が受け取っている主催者のルールをスタッフにも共有しておく。

スタッフの体調不良や遅れ、急な欠員が出たとき

  • 体調が悪いときは、無理に立ち続けず、すぐに現場の責任者へ伝える。
  • 責任者は、役割の穴を誰が代わるか、どの役割をいったん止めるかを決める。
  • 欠員が続く場合の代わりの手配は、依頼先に連絡する。

役割の穴を埋める考え方は、展示会当日のシフトと休憩の組み方で、シフト表のひな形とあわせて整理しています。欠員や急な増員に会期前からどう備えるかは、展示会スタッフの当日欠員・急な増員にどう備えるか:出展企業の準備と当日朝の動きをご覧ください。

出展企業が会期前に準備しておくこと

対応フローを当日に機能させるために、会期前に次の4つを用意しておきます。

  • 連絡先の一覧:現場の責任者、出展企業の担当社員、依頼先の担当者、主催者の窓口。
  • 答えてよい範囲の一覧:スタッフが答えてよいこと、社員につなぐこと。
  • 主催者のルール:通路の使い方、配布物、撮影などについて主催者が定めているもの。
  • 記録の場所:トラブルを残す場所と、その日の振り返りでの共有のしかた。

外部のスタッフ・キャストに何を任せるかを決めるときは、展示会キャストとは?スタッフ・コンパニオンとの違いと選び方も参考にしてください。

Charmapの展示会キャスト

Charmapは、展示会キャストの育成・派遣と展示会の運営支援を行っています。受付、来場者誘導、商品説明、サンプリング、ステージ進行まで、ブースの第一印象をつくる役割をチームで担います。

SAFE WORK POLICYでは、案件の開始前に関係者へ方針を共有すること、現場ごとに責任者を置くこと、案件の終了後に振り返りを行って改善につなげることを定めています。

展示会のスタッフ・キャストの依頼や、当日の体制づくりのご相談は、お問い合わせからお気軽にどうぞ。

よくある質問

スタッフが答えられない質問を受けたら、どうすればよいですか?

推測で答えず、「担当の者から詳しくご説明します」と伝えて社員につなぎます。社員がすぐに対応できないときは、質問の内容を聞き取って名刺と一緒にメモに残し、後で社員から連絡します。スタッフが答えてよい範囲は、会期前に出展企業が決めておきます。

来場者からスタッフへの不適切な言動があったら、出展企業は何をすればよいですか?

まずスタッフの安全を確かめ、その来場者から離します。必要に応じて持ち場を代え、何があったかを記録して、現場の責任者や依頼先と共有します。スタッフに我慢を求めず、相談したことで不利益が生じないようにすることが大切です。

トラブルに備えて、会期前に何を決めておけばよいですか?

トラブルが起きたときに誰に伝えるか、スタッフが自分で判断してよい範囲、記録する場所の3つです。あわせて、出展企業の担当社員・依頼先・主催者の連絡先と、主催者が定めているルールをスタッフに共有しておきます。